教員インタビュー:奥村 宏典 助教

2023/11/3更新

Q 研究テーマを教えてください

極限環境で動作する半導体デバイスを作る研究をしています。結晶成長からデバイス作製、物性評価に至るまで行っています。

Q 研究の内容と、研究の魅力を教えてください

半導体の中でも、絶縁体の性質に最も近い材料(超ワイドギャップ(UWB)半導体)を主に扱っています。UWB半導体は、高い電圧をかけても壊れにくく、高い温度で動作し、放射線に強い半導体です。具体的には、酸化アルミニウムガリウム((AlGa)2O3)と窒化アルミニウム(AlN)という材料を扱っており、どちらのトランジスタも本研究室が世界初であり、今も世界をリードしています。

Q その研究の先にある未来とあなたが抱く夢を教えてください

UWB半導体に限らず、これまでにない画期的な製品を世に出したいです。実用に耐えうるデバイスを作り、その成果をベースに産学連携や起業へと繋げたいです。

Q 応用理工学類/電子・物理工学サブプログラムのアピールポイントは何でしょうか?

同じつくば市にある多数の研究機関と気軽に共同研究ができ、最先端の研究設備を扱いながら、各分野のトップ研究者と一緒に実験できる環境は、非常に貴重です。本研究室も、農研やJAXAの研究者と交流しつつ、NIMS、KEK、産総研、理研の研究者と一緒に、NIMSや産総研、筑波大の共用設備を最大限活用して、最先端のデバイスを作っています。また、サブPには、NIMSや産総研といった研究所との連携大学院が設けられており、この制度は日本だけでなく、世界的に見ても稀です。

Q 学生へのメッセージを教えてください

研究はオリジナリティが非常に重要です。オリジナリティは、人の数だけあるので、本研究室は学生の主体性を最も大切にしています。好奇心の赴くままに、自分のアイデアで、これまでにない革新的なデバイスを作ってみませんか?

Q 研究以外で熱中していることはありますか?

学生の頃はスキー、研究員の頃はキャンプ、教員になってからは子育てです。近所の公園で奥村が走り回っている姿を見れるかもしれません(誰得?)。

Q 最後に、日常生活で心がけていることは何でしょうか?

時間と体調の管理です。残り20年程度でできる研究・教育、家族との時間は限られているので、いかに元気な時間を多く確保できるか、日々奮闘しています。


奥村 宏典 (助教)

パワーデバイス・高周波デバイス・光デバイスへの応用を視野に、ワイドバンドギャップ半導体を用いた新規デバイスの作製に取り組む。固体物理学、量子力学、結晶学、電子工学、光物性工学を駆使して、マテリアルから物理、工学応用まで幅広い分野に携わりながら、新しい物理現象の発見・解明を目指している。

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