寺田准教授ら、MRIによる糖尿病性腎臓病診断への新たな道筋-糖尿病の革新的マーカーとしての可能性を探る、ナトリウムを可視化する23Na MRIを用いた研究-

概要

新潟大学大学院医⻭学総合研究科腎研究センター腎・膠原病内科学分野の忰田亮平助教、成田一衛教授、筑波大学数理物質系の寺田康彦准教授、国際医療福祉大学成田保健医療学部の拝師智之教授、新潟大学大学院自然科学研究科の佐々木進准教授、株式会社エム・アール・テクノロジー(所在地:茨城県つくば市)らの研究グループは、 23 Na MRI(※)装置を用いて、糖尿病モデルマウスでの糖尿病発症の早期段階における、腎臓内のナトリウムの代謝の変化をより鮮明に可視化しました。
これまで実施されてきたような、すでに病状が進んでしまった腎傷害を反映した血中・尿中マーカーをみる検査と異なり、ナトリウムの代謝の変化を、糖尿病の検査でよく用いられている尿中アルブミンの測定と併せて実施することで、糖尿病性腎臓病での尿細管の異常を早い段階で診断して、治療につなげられる可能性があります。
(※) 23 Na MRI: 生体中の水や脂質の水素原子核には非常に弱いながら磁石の性質があり、こうした原子核種の磁化を超電導磁石の強力な磁場の中で増大させて、原子核に固有な波⻑の電磁波を加えると、原子核が共鳴して微弱な高周波磁場が生じます。この高周波磁場を捉えて、画像化するのが磁気共鳴画像化(MRI)装置です。人間の体内では、約3分の2は水であり、病院で使われる臨床応用されたMRIは水に含まれる水素の原子核( 1 H核)を可視化したものです。ナトリウムの原子核( 23 Na核)を画像化したものが 23 Na MRIになります

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