2023年度第二回数理物質系学際セミナーのお知らせ(7/21)

二人目の演者として、電子・物理工学サブプログラムの柳原英人教授が登壇します。

開催日時
2023年7月21日(金) 16:45開始(75分間)

プログラム

第一席
講演者:坂本 瑞樹 教授(物理学域)
司会: 都倉 康弘 教授(物理学域)
タイトル:極限環境下でのプラズマ・材料相互作用 ~プラズマ・核融合研究の視点から~
Plasma-Surface Interaction Under Extreme Conditions – From a Perspective of Plasma Controlled Fusion –

概要:最近、核融合のニュースをよく見かけるようになったと思います。政府の2050年カーボンニュートラルの達成を受けて、内閣府にてフュージョンエネルギー・イノベーション戦略が策定され、産業界も巻き込んだ潮流が出来つつあります。文科省内の原型炉開発総合戦略タスクフォースにおいても2040年代に核融合エネルギーを実現する前倒し案が検討されています。
プラズマ研究センターでは、以前から核融合エネルギーの早期実現を目指して世界最大のタンデムミラー型プラズマ閉じ込め装置を用いた研究を進めていいます。最近はダイバータ熱粒子制御研究や電子加熱のための大電力ジャイロトロン開発を中心に研究を進めています。
ダイバータ熱粒子制御は、核融合炉実現のための最重要課題のひとつです。炉心プラズマで発生した熱と加熱された粒子は、炉心から周辺部に拡散し、最終的にダイバータという領域に到達し、タングステン製のダイバータ板の熱負荷となります。この熱負荷を10MW/m2以下に抑える必要があり、このためにダイバータ板近傍に水素や希ガスを入射してプラズマの電子温度を低下させ、体積再結合を起こさせてプラズマを消す手法が開発されています。上流から流入する高温のプラズマを消す際の原子・分子過程は複雑で興味深いです。また、タングステンが、ある条件でヘリウムプラズマに晒されるとタングステン表面に繊維状のナノ構造が形成されます。核融合炉のダイバータ板でもこの繊維状ナノ構造が形成される可能性があり、その特性の研究を進めています。
本セミナーでは、日本の核融合戦略と世界の動向、プラズマ研究センターでの活動を簡単に紹介した後に、高温プラズマを消す際の原子・分子過程やタングステンの繊維状ナノ構造の特性等についてご紹介します。


第二席
講演者:柳原 英人 教授(物理工学域)
司会:寺田 康彦 准教授(物理工学域)
タイトル:スピネル型酸化物薄膜の怪しい電気伝導
Novel conduction phenomena in spinel-type oxide thin films

概要:スピネル型磁性酸化物は、かつては磁石としてある使用され、今日でも高周波軟磁性材料として用いられている実用材料です。その基礎物性についてもマグネタイトの金属絶縁体転移を始めとして、魅力的な物性を示す物質が多く、今日まで盛んに研究が行われている対象です。私達の研究室では、スピネル型磁性酸化物のスピントロニクス応用を目指して、良質な薄膜成長を試みその磁性や電気伝導を調べたり、デバイス作製を行ったりしています。数理物質系学際セミナーでは、最近発見した導電性スピネル型磁性酸化物の温度スピン再配列現象や、それに付随した特異なホール効果について紹介したいと思います。


実施方法と参加対象者
会場での講演をzoomで同時配信するハイブリッド方式で行います。参加費用は無料です。原則として、どなたでも参加できます。ただし、参加人数の上限を超えた場合には、参加をお断りする場合があります。

セミナー会場
総合研究棟B棟0110室(ハイブリッド配信あり)

お申し込み方法と締め切り
・数理物質系および関連センターの構成員(教員と学生など)
直接 (Garoon掲示板、TWINS、メール等で)案内とzoom リンクを通知しますので,登録なしで自由に参加することができます。
・系外および学外の参加希望者
Googleフォームで事前にお申し込み下さい。参加申し込みの締め切りは7月18日(火)です。お申し込みされた方には、7月19日(水)までに、登録メールアドレスにzoomの接続情報をお送りします。

Zoom参加の際の注意点
・名前表示を「所属 氏名」で設定してください
・セミナー開始10分前を目安に、参加用URLに接続してください
・基本的に参加者は、ビデオ=オフ、マイク=ミュートとしてください

お申し込み先
https://forms.gle/nFEsop6yCLyTi54w9

お問合せ先(Zoomアクセスの際の不具合時など)
数理物質エリア支援室総務担当(担当:佐藤)
E-mail: suurisoumu(at)un.tsukuba.ac.jp
※ (at) は @ に置き換えて下さい
Tel:029-853-5621