卒業生からのメッセージ:佐々木 椋一さん
佐々木 椋一 プロフィール
入学年:2014年 卒業年:2018年(理工学群 応用理工学類)
入学年:2018年 卒業年:2020年(数理物質科学研究科 電子・物理工学専攻(博士前期課程))
現在の職業(勤務先・役職等):株式会社NTTデータ 決済ITサービス事業部
(2023/6/26更新)
Q 現在のお仕事を聞かせてください。
金融機関向けの決済システムの開発に携わっています。
現在は数年間におよぶ開発プロジェクトに参画しており,円滑に進むようお客様との調整やチーム内外のマネジメント業務をする傍ら,実際に手を動かしてプログラムを書いたり試験を実施したりもしています。
社会の決済インフラを支えるシステムであり,特に品質の確保は欠かせません。そのためには技術的な理解に加え,関係者との綿密なコミュニケーションや,物事を突き詰めて論理的に分析・説明する力も求められます。職務経験を積みながら少しずつスキルを磨いていっていますが,こうした力は大学院時代の経験も役立っている部分が大きいと実感しています。
責任の大きな仕事でもありますが,社会インフラの一翼を担うやりがいを持って働いています。
Q 今改めて、電子・物理工学サブPで良かったと思うことを聞かせてください。
理学と工学の双方からアプローチができることです。私はもともと物事の仕組みや理由を探究することにも興味がありましたし,一方で目に見える形にする解析やモノづくりも好きでしたので,この点を魅力に感じていました。実際に,私の所属していた研究室ではMRIに関する研究をしていますが,磁気共鳴の原理寄りの分野から,コイルの開発,画像診断を見据えた応用まで,幅広いテーマに挑む機会があり,自分の興味や強みを活かして取り組んでいくことができます。
社会人になってからも,たとえば現職では,プロジェクトに問題が発生した際,問題が起きた根本原因の追究と,再発を防ぐための仕掛けづくりや別プロジェクトへの応用をしていく必要があります。これらは共に先の2つのアプローチに通ずるものがあり,専門性を高めつつも,この両輪を行き来しながら研究できる環境での学びが活きていると感じています。
Q 電子・物理工学サブPの魅力を教えてください。
学問や研究面については先の項目で触れましたが,その他の面では,研究室内外を問わず学生の交流が活発であることも大きな魅力だと思っています。
在学中は研究室のメンバーで定期的にイベントを実施したりしていましたし,他の研究室にちょっとした用事でお邪魔したり,その場にいらっしゃった教員や学生の方とも雑談に花を咲かせたりもしていました。大学院時代の友人とは,社会人になった今でも半年に1回は旅行に行っていて,修了後もつながりが続いています。
1研究室あたりの人数がほどほどで,アットホームな研究室が多いからこその環境だったと思っています。
Q 進路を考えている学生に対してメッセージをお願いします。
将来の進路をまだ明確に描けていない,と不安に思っている学生さんも多いのではないでしょうか。私もその一人で,大学院を志望・受験していた当時は修了後の現在のキャリアパスは想像しておらず,大学院生活を送る中で徐々に進路を明確化していきました。研究のプロフェッショナルとしての道を歩んでいる同期や先輩・後輩も数多くいますが,最初から一本道を歩んでいる人はむしろ少数派で,様々な経験や出会いを通じ,必然と偶然が重なって現在のキャリアに至っている人がほとんどです。
電子・物理工学サブPの各研究室では,自身の研究テーマを進めていく中で筑波大学内外の様々な研究機関とタッグを組んで取り組む機会が多くあるのが特徴です。ぜひ,自身の専門性やスキルという「必然」に加えて,これまでの課程では出会わなかった様々な方との人脈を築くことでたくさんの「偶然」を積み重ねていき,その先に見えてくる景色を楽しみにしてもらいたいと思っています。