柳原教授と磯部准教授ら、MHz帯・強磁場条件下で全磁化ヒステリシス測定を実現
磁性材料の高周波特性は、電源回路やインダクタ、トランスなどの電力変換機器の高効率化・小型化・高周波化を実現する上で不可欠な要素です。近年、パワーエレクトロニクス分野では動作周波数の高周波化が急速に進んでいますが、周波数が MHz 帯に達すると、磁化過程や損失特性は低周波とは大きく異なり、動的な磁化挙動の影響が顕著になります。一方、従来の高周波磁気計測手法では、強磁場を印加するために大きな電力や電圧が必要となる、あるいは磁場振幅が制限され初期磁化領域の評価にとどまるなど、実際のデバイス動作条件を十分に再現した評価が困難でした。そのため、MHz 帯においても強磁場下で磁性材料の磁化挙動を定量的に評価できる新しい計測技術の確立が強く求められていました。
柳原教授と磯部准教授らは、MHz 帯かつ強磁場条件下で磁性材料の磁化挙動を高精度に評価することを目的として、新しい磁気計測システムの開発に取り組みました。柔軟基板上に形成した 1 ターンコイルを多層に積層して各層をセラミックコンデンサで接続した LC 直列共振型励磁コイルを新たに設計し、MHz 帯においても低インピーダンスで大電流を流すことを可能としました。これにより、最大 0.5 テスラの交流磁場を安定して発生させることに成功しました。さらに、これまで評価が困難であった高周波・大振幅条件下での磁性材料の全磁化挙動を定量的に評価することが可能となりました。
本研究結果は、基礎研究のみならず、産業界における実材料評価や製品開発プロセスへの導入にも高い親和性を有していることから、企業との共同研究や技術連携を通じた、実用環境に即した評価手法の確立と社会実装など、次世代パワーエレクトロニクス分野への貢献を目指します。
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