新任教員インタビュー 長谷川 友里 先生
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Q どんな研究をされていますか?
走査トンネル顕微鏡や光電子分光法を用いて、分子の形を調べています。特に、材料の表面や界面では分子軌道はどのような影響を受けるのか、それがデバイス開発にどのように役に立つのかを調べるのが大まかな研究テーマです。
基礎研究がメインになってはいますが、少しでも応用研究に関連する・役立つようなことができればいいなと思っています。
Q その研究の先にある未来や、あなたが抱く夢を教えてください。
今は分子軌道の形をみる、ということが一つの課題ですが、形を制御することで機能を創出できるような技術を作れるようになりたいです。
Q 研究を始めたきっかけは何ですか?
何かの本か雑誌を見たときに原子や分子の形、それらが集まってできた形をみる研究が紹介されていました(当時はよくわかりませんでしたが、三角形だったので、半導体薄膜のアイランド成長の顕微鏡像だったのだと思います)。見た目に惹かれたのと、原子や分子の世界でも形が機能につながるのが面白いと思いました。
もう一つ惹かれたのが、自己組織化です。自己組織化とは、複数の要素が集まる際に、要素単体ではありえないような機能を発現する現象のことです。その形状と機能とが関係するのが面白いと思いました。興味のある方には、蔵本由紀さんの「非線形科学」をおすすめします。
Q どんな学生時代を過ごされましたか?
チャンスがあったときに思い切って海外研修に参加したり、研究所の夏期合宿に参加してみたのが楽しかったです。それ以外はどちらかというとインドアだったのであまり活発な学生生活ではありませんでした。
Q 研究以外で熱中していることを教えてください。
植物が面白いなと思います。先日サボテンの栽培キットを手に入れたのですが、種から発芽して親指の先ほどの大きさに育つまで4-5年かかると知って驚きました。美術館・博物館に行ってよくわからない形のものを見るのも好きです。
Q 日常生活で心がけていることを教えてください。
早寝早起です。
Q 応用理工学類/サブプログラムのアピールポイントを教えてください。
物理系と化学系の両方の先生がいて、授業やセミナーでいろんな方向からのアプローチを知ることができるのが良いところだと思います。
Q 最後に学生へのメッセージをお願いします。
他人の言うことや流行りのことなどはあまり気にせず、やってみたいことをやってみるのがいいと思います。学生生活、楽しんでください!
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長谷川 友里 Hasegawa Yuri(助教)
詳しくは研究者総覧をご覧ください
原子や分子の形が機能を生み出すことに魅力を感じ、研究の道へ。走査トンネル顕微鏡や光電子分光法を用いて分子の形と電子状態を研究する。特に、材料の表面や界面での分子軌道の変化に着目し、その特性がデバイス開発にどのように活かせるかを探求している。基礎研究を中心にしながらも、応用につながる発見を目指す。将来的には、分子軌道の形を制御し、新たな機能を創出する技術の確立を目標としている。