新任教員インタビュー:浦 朋人 助教


ゼミ後の一枚(浦先生は中央です)

Q 応用理工学類/電子・物理工学サブプログラムの魅力は何でしょうか?

私は応用理工学類および電子・物理工学サブプログラム出身で、酵素という生体分子を研究しています。生体分子のふるまいを理解するためには、さまざまな物理現象に基づいた計測と解析法を組み合わせる必要があります。学類やサブプログラムで幅広い物理、化学、数学を学んだ経験は、いろんな計測や解析を行う上で役に立っています。

Q 今取り組んでいる研究テーマをもう少し詳しく教えてください

酵素の機能、構造、他分子との相互作用、集合状態を計測し、理解を深めることで、酵素のはたらきを制御する研究をしています。われわれが実験室で化学反応を進める場合、希少な金属元素などを用いて高温高圧で行うことが一般的です。一方、生体内ではありふれた元素のみを用いて、常温常圧で多くの化学反応が効率的に進んでいます。私は、生体内の触媒として働く“酵素”の理解を深めることで、生体内の反応がなぜ効率的に進むのかを解明し、その知見を生体外の反応へ応用する研究を行いたいと考えています。

Q その研究の先にある未来と、あなたが抱く夢を教えてください

将来的には、酵素を利用した効率的な反応を生体外で実現し、昔映画で見たゴミを燃料にして動く車のようなデバイスを作りたいです。また、生体内の酵素の異常を検知することで疾患の早期診断法を開発したいです。これらの夢に向けて、乗り越えるべき課題は多いですが、こつこつ地道に基礎研究を進めていきます。

Q つくばでの学生時代はどう過ごされましたか?

学生時代、私は毎日サッカーをして過ごしていました。研究には、チームでの協力が必要な場面と個人での集中作業が必要な場面があり、今振り返ると、サッカーで培った経験が生きている気がします。何かに打ち込んだ経験がある人は、その経験が研究に生かされるかもしれません。

Q 研究を始めたきっかけは何でしょうか?

大学2年生のとき、学内の掲示板で研究所の業務員募集を見つけました。運よく採用され、細胞の動態を光学顕微鏡で観察する研究を始めました。つくばには研究所がたくさんあり、このような機会が身近にあることは大きな利点だと思います。

Q 研究以外で熱中していることや日常生活で心掛けていることを教えてください

休日は、応用理工学類の教員や大学院生、研究者等の方々と一緒にサッカーをしています。毎日しっかり食べる、寝る、休むことを心がけています。

Q 最後に学生へのメッセージをお願いします

いろいろな知識に関しては教えることができますが、何かへの興味そのものを教えることは難しいと思っています。もし、応用理工学類や電子・物理工学サブプログラム、または私たちの研究に少しでも興味があれば、ぜひ一緒に学び、研究しましょう。


浦 朋人 URA Tomoto(助教)

生体内の酵素反応の制御機構に興味を持ち、原理解明と産業応用を目指して研究を進めている。現在は、特に酵素の液-液相分離現象に着目し、その動的なふるまいをさまざまな計測手法を用いて理解することに取り組んでいる。

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