新任教員インタビュー:眞榮 力 助教


仕事風景~研究居室にて
仕事風景~研究居室にて

Q 研究テーマを教えてください

ダイヤモンド中の発光中心を用いた量子センシングを研究しています。ダイヤモンドに関わらず色んな材料の量子センシング応用を見据えた材料研究、評価研究をしていきたいと考えています。

Q その研究の先にある未来や、あなたが抱く夢を教えてください。

研究生活もまだまだ序盤ですので、大きな未来や夢は今描けませんが、とにかく、納得できるまで目の前の現象や結果を考えて色んな人にわかってもらう、これに今の自分の目標は尽きると思います。

Q 研究を始めたきっかけは何ですか?

私自身一旦企業での開発を経験しています。企業では、学術的に既知のものを、デバイス化、かつ、それを安定的に量産という一連のプロセスが大事という印象が大きいですが、実は学術的によくわかってないことも、使えればよい、仕様を満たしているから良いという発想もあったりするんです。私自身、会社にいて次第に、分かっていないことに関して、しっかりと物理、数学的にこうと説明したいと思うようになり、アカデミアに博士学生として戻ってきました。

Q どんな学生時代を過ごされましたか?今に繋がっていることはありますか?

サークル:バイト:勉強、研究=1:1:1くらいの比重で学生生活を送っていました。今では、プライベートと研究のバランスをとるために、時間配分、効率を意識する必要がありますので、学生時代の全部を等価に頑張った経験が生かされています。

Q 研究以外で熱中していることを教えてください。

毎日10kmランニングをつくば市の南にある洞峰公園でやっています。意外と、毎日走っている方が多いですね。また、月一くらいで登山もしています。あとは、漫画を読むのも熱中しています。最近は、南北朝時代、室町時代に焦点を当てた歴史漫画が面白かったです。具体的には、「逃げ上手の若君」、「新九郎奔る!」ですね。既刊までは読み終わっていて、続きを楽しみにしています。さらに、作中に出てくる聖地巡礼もこれから考えています(笑)。

Q 日常生活で心がけていることを教えてください。

ランニングも含めて、毎日のルーチンワークを怠らないように心がけています。研究での悩みはつきないですが、こういうルーチンワークで頭がリセットされ、良いアイディアを着想し、一見良くない結果もポジティブに捉えられることが割りとあります。

Q 応用理工学類/サブプログラムのアピールポイントを教えてください。

研究分野が幅広くカバーされ、プロフェッショナルな教員の方々のサポートを受けられる点ではないでしょうか。個人の経歴の話しをさせていだきますが、私は所謂物理学科から固体物理に進学した人間です。そこでは、半導体、金属、超伝導等の先端分野がカバーされていて、ここでいうと応用理工の電子・物理サブプログラムに相当します。私自身、生体や材料工学等の色んな分野の人と研究をしだしたのは、ポスドク研究員時代からと少し遅めです。一方で、応用理工は、さらに物質科学・バイオを含む物性・分子工学サブプログラム、NIMSと連携した材料工学サブプログラムが用意されていますので、学生の頃から多角的な視点から勉強でき、多様なヒトと一緒に研究生活が歩めるのではないかと考えます。

Q 最後に学生へのメッセージをお願いします。

皆さんが受験勉強等でされていた物事を絶えず吸収し続ける姿勢は継続していただきたいと思っています。さらに、大学、大学院に入ってからは、自分の中で咀嚼し、解釈した少し抽象的な内容を分かりやすくする作業が多くなってきます。実際に専門ではない研究者や、一般の方にわかりやすく伝えないと評価されない経験も増えてきます。口頭、文章いずれの媒体でもその機会が多いように思います。近年発展しているAIのサポートも上手く使って乗り越えていってください。


眞榮 力 Shinei Chikara(助教)

詳しくは研究者総覧をご覧ください

ダイヤモンド中の発光中心を利用した量子センシングを研究する。企業での開発経験を経て、未知の現象を物理や数学的に解明することを目指してアカデミアに戻る。現在は、ダイヤモンドに限らず、さまざまな材料を用いた量子センシングの応用を視野に入れた材料研究や評価研究に取り組む。