卒業生インタビュー 齋田 友梨 さん
齋田 友梨 プロフィール
応用理工学類卒業
数理物質科学研究群修了
旭化成株式会社
私は高校生のときに材料科学を勉強したいと思っており、筑波大学応用理工学類への進学を決めました。材料科学に興味を持ったきっかけは、大学のオープンキャンパスで、工業的にアンモニアの生産を可能にしたハーバー・ボッシュ法の発明の話を聞いたことでした。アンモニアは化学肥料の原料であり、ハーバー・ボッシュ法の発明によって人口が急増した20世紀の食糧生産を支えることができたとも言われています。ハーバー・ボッシュ法の発明はハーバーの理学的な発見と、ボッシュの工業化の実現によって達成されています。自然科学の原理・原則を明らかにする理学と、理学的知見を技術へと応用する工学の両方の視点を身につけることは材料科学の研究を行う上で重要であり、これらを学ぶことができる応用理工学類はとても魅力的でした。
筑波大学に入学してみると、自分のやりたいことに主体的に取り組んでいる人がとても多いという印象を受けました。つくば市は民間団体(NPOや個人)の活動が盛んであり、筑波大学やつくば市が、やりたいことを応援する風土が強いのだと思います。そんな筑波大学で、私も勉強、課外活動、研究等いろいろなことに取り組みました。
筑波大学には、 文化系サークル、体育会(運動部)・芸術系サークルを始め、様々なサークルがあります。私は、トークイベントを主催する学生団体TEDxUTsukubaに所属していました。TEDxUTsukubaでは、アメリカのTED(英語学習でよく取り上げられる、赤いマットの上で賢そうに話すプレゼンのイベントを運営する団体)からライセンスを受けて、TEDのIdeas Worth Spreadingの理念をもとにトークイベントの企画・運営を行っています。その中で、私はイベント開催に必要なスポンサー集めに取り組んでいました。活動の中で、団体の活動を応援してもらうためにどうすれば良いのかを考え、活動の魅力を伝えたり、主体的に課題解決に取り組んだりしたのはよい経験になりました。
学類4年生以降は、計測系の研究室に所属し、「分子動画を撮影する」研究に取り組みました。材料の中で、1 nmほどの大きさの分子が100兆分の1秒の時間スケールで動く様子を観測し、機能性材料のメカニズム解明につなげるという研究でした。学会に参加したり、フランスに2か月留学したりする機会にも恵まれ、貴重な経験をすることができました。
今は、学生時代の研究を生かして、化学メーカーで計測・解析の仕事をしています。筑波大学で身につけたやりたいことに主体的に取り組む力、研究で身につけた論理的思考力が役に立っていると感じています。いろいろなことにチャレンジできる環境と、チャレンジしている友人に出会うことができて、筑波大学に来て良かったと思っています。
筑波大学には、やりたいことを見つけたり、やりたいことを応援してくれたりする環境があると思います。みなさんも興味を持ったら、ぜひキャンパスに足を運んでみてください!
※この記事は応用理工学類のHPでも掲載されています。